ネットや図書館で楽譜を無料で入手しよう
クラシック作品の楽譜は、わざわざ買わなくても楽譜が入手できるものがほとんどです。
無料で楽譜を入手する方法をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ネットの無料楽譜を使う
メリット・・・入手が楽
デメリット・・・違法な場合がある、楽譜の質が低い場合がある
無料楽譜はパソコンやタブレットとネット環境さえあれば入手できるため、まず最初に試したい方法です。
ただしデメリットとしては、まずは著作権を無視して違法にアップロードされている楽譜があることが挙げられます。
つぎに挙げられるのは、誤植などがごく稀にあったり、少し読みにくかったり(1ページに音を詰め込みすぎなど)、また運指などが書かれていなかったりすることです。この特徴は、昔の作品になればなるほど顕著になります。
しかし、そうしたデメリットを補って余りある利便性があるのは確かです。
代表的なサイトを紹介したいと思います。
IMSLP
楽譜サイトの代表格ですね。トップページはこちらです。
私は普段、ブラウザの検索フォームで「曲名 IMSLP」のように入力して検索をしています。
このときに、作曲家名や作品名は英語で打ちましょう。
「IMSLP Chopin Barcarolle」といった具合です。検索をかけると、だいたい1件目にIMSLPが出てくると思います。
クリックしたら、下の方にスクロールしましょう。「楽譜」というところに楽譜が並んでいます。
複数あることが多いですが、基本的には出版社が違うだけです。クリックして、好きなものをダウンロードしましょう。
IMSLPのメリットとしては、基本的に著作権が切れていない作品はアップロードされていないという点です。
また、アップロードされている作品が多いため、著作権が切れていない作品に関して言えば、よっぽどマイナーな作品でない限り、見つけることができるでしょう。
ScorSer
次に紹介したいのはScorSer。シンプルなUIが特徴です。
検索ウィンドウがありますので、作曲家名と曲名を入力して検索ボタンを押します。
ドビュッシーの「喜びの島」の楽譜を検索してみました。
どれでも良いのでクリックしてみると、下のようなページになります。
上で紹介したIMSLPにリンクがつながっていることも多いです。
「ダウンロード: ダイレクトリンク」をクリックするとダウンロードできます。
Primanota
次にご紹介するのはロシア語のサイト、Primanotaです。
特に旧ソ連の作品を調べる際、IMSLPなどで見つけられなかった場合には威力を発揮するサイトです。
ただし、著作権などは一切無視されているので、ご利用は自己責任でお願いします。
基本的な使い方としては、ページ上部に作曲家名と曲名を打って検索するだけです。ただし、ロシア語で打ち込まなければなりません。
わざわざロシア語のサイトを使うのは、かなりマイナーな曲(=情報がほとんどない)の楽譜が欲しい場合がほとんどだと思います。
しかし、マイナーな作曲家であれば、作品も少ないことも多いですから、作曲者名だけで目的の楽譜に辿り着けることは多々あります。ですから、まずは作曲家名だけ入力して検索をしましょう。作曲家のロシア語表記は、運が良ければWikipediaなどに書かれています。
そうでなければ...気合で頑張るしかありません。人名の場合は英語→ロシア語表記はルールがほぼ決まっているので、Google翻訳などに任せるのも手です。
作曲者名のロシア語表記がわかり、無事検索できたものの、大量に楽譜が出てきた場合も同様です。気合で目的の楽譜を探してください。
ちなみに私は中学2年のときに、ロシア語の楽譜サイトを使うためにロシア語の勉強をしました。文字ぐらいならすぐに覚えられると思いますから、使用頻度が高いようでしたら覚えてしまうのも手だと思います。
図書館に行く
メリット・・・楽譜の質が高い
デメリット・・・図書館に行く時間がかかる、コピー作業が面倒
つぎは図書館を使う方法です。ネットで見つけられなかった場合、私はよく図書館などで楽譜を見つけています。
代表的な場所をご紹介しましょう。
桐朋学園大学附属図書館
音大の図書館は、ネットでは見つけられないような楽譜が所蔵されていることがあります。(特に邦人作品など)
ただし、図書館によっては部外者の利用を認めていなかったり、認められているとしても手続きが煩雑などのデメリットがあります。
しかし、桐朋学園大学の図書館は誰でも入ることができます。公式サイトはこちら。
ホームページに必要な情報は記載されていますが、まとめると、事前に借りたい楽譜を予約して、現地に行って借りるというシステムです。
図書館で借りた楽譜は、その日のうちに返す必要がありますが、館外に持ち出して近くのコンビニなどでコピーすることができます。
大量にコピーしたい場合は、島忠ホームズ仙川店の1階にあるコピー機を使うのがおすすめです。4台あるので、他の利用者を待たせて困らせることはないでしょう。
国会図書館
こちらの図書館は、邦人作品にはめっぽう強いですが、コピーが楽譜全体の半分しかできないというのが最大のデメリットになります。
全部コピーしたい場合は友達を連れていくか、絶版でなければ買うのが丸いでしょう。
また、国会図書館は仕組みが複雑で、借りたい資料は現地に着いてからパソコンの予約システムで予約し、15~30分ぐらいすると書庫から運ばれてくるというシステムです。
基本的には楽譜全部をコピーできないということも考えると、存在は知っているが聞いたことのない曲の楽譜を借りて眺める、あるいはCDも借りられるのでその場合は聴く、というのが基本的な使い方になるでしょう。
市区立図書館
市区立の図書館は、楽譜を所蔵していることがあります。
私が以前住んでいた東京都の文京区や練馬区の図書館には、それなりの数の楽譜が所蔵されていました。
特に、有名な作曲家の作品であれば、置いてある可能性はそれなりにあります。わざわざ音大の図書館などに出向かなくても入手できる可能性がありますので、まずは近くの図書館に置いていないか調べてみるのはオススメです。
ちなみに文京区はショパンのパデレフスキ版の楽譜はほとんど置いていたのに、ポロネーズの楽譜だけ置いていませんでした。ショパン=ゴドフスキーのエチュードの楽譜は置いていたのに...なぜでしょうか。(笑)
おまけ 楽譜のコピー方法
楽譜は一般的なサイズの本より少し大きいことが多いです。
そこで、コピーをする際に、「ちょっと小さめ」を選ぶのがオススメです。これで、端が切れたりして困ることが少なくなります。ぜひ試してみてください。
ちなみに桐朋図書館のところで紹介した島忠ホームズのコピー機は、A3は10円ですがA4なら5円でコピーできます。こうしたコピー機を使い、見開きごとではなく1ページごとにコピーするのも手だと思います。
楽譜代を抑えて楽しい音楽ライフを送りましょう。