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【マスタークラス動画まとめ】ブラームス 幻想曲集 Op.116

YouTube で見られる、ブラームスの幻想曲集 Op. 116 のマスタークラス動画のまとめです。

No.1

個人的な感想も踏まえて内容をまとめると以下。

  • 最初の右手、sf からレガートで繋ぐ
    • sf というよりテヌートに近いイメージ?
  • 内声だけが半音階で上がるところは、そこを聴かせる
    • Op.117-1 の冒頭などもオクターブの中の音だけが変わり続けるが、同じような感じでいいのかも
  • 左が短三度で降りるところ (2ページ目など) は楽譜に p とある通り静かに
    • その方が全体として劇的な印象になる
  •  2ページ目下、打楽器的になるところからメロディーのラインをわかりやすく
  • その後半 (嬰ハ短調) の音域が下がるところは雰囲気を変える
    • 単なるクレッシェンドとデクレッシェンドで構成するだけだと一本調子に聴こえるので、ここで色を変えるのは非常に良いと思った
  •  最後のページや冒頭の2フレーズ目など、左はフレーズが始まり、右は終わるという流れの箇所がいくつかあるが、右はしっかりフレーズを閉じる

No.4

言語はロシア語。動画の半分以上は冒頭に関する内容。分かる範囲で理解したことは以下。

  • メロディーのフレーズ感を出す
    • 例として最初の右手、G# → C# でデクレッシェンドしてフレーズを閉じる
  • アウフタクトで始まるが、1拍目ではなくその直前 (アウフタクトの3音目) を重くする
    • また同じ音型でも、場所によって弾き方を変える (1拍目を重くする)
    • これは好みによると思うが、どう弾くにせよバスを軽くしないとバランスは悪いと思った
  • 1ページ目の真ん中あたり、H-Dur で解決する前の息の長いメロディーの最高音の G で抜く
    • 同じく好みによると思うが悪くないと思った

No.4 - 7

未視聴。言語は英語。

No.6

未視聴。

「尊師マーチ」以外にもあるオウムソングの名曲

オウム真理教は、国政選挙に出た際に「しょーこーしょこー」の歌詞で知られる「麻原彰晃マーチ」を作曲し、歌って踊る選挙活動で話題となりました。

このキャッチーなメロディーはテレビなどで聞く機会も多く、私のように、学校で歌って怒られた人も数多くいるでしょう。

しかし、実は他にも数多く (音源があるだけで80曲程度) の曲が存在することをご存知でしょうか。

この記事では、オウムソングの名曲をランキング形式でご紹介していきたいと思います。

※ この記事は、あくまで音楽の紹介が目的であり、オウム真理教および数々の事件について肯定的な立場を取るものではありません。

目次

6位 極限

この曲は音質の悪い音源しかないのが残念ですが、非常に良い曲なので紹介したいと思います。

オウムソングは尊師が歌っているものが多いですが、この曲は後継団体のAlephでも中心的な役割を担った二ノ宮 耕一が歌っています。

テンポはオウムソングの中では最速と思われ、尊師よりは声が高いことも影響しているのか、異様にテンションが高く感じられる曲です。

5位 SSAの歌

こちらは尊師と愛人のデュエットになっている曲です。

オウム真理教は関連会社をいくつも持っており、この曲は「スーパースターアカデミー」というフィットネスクラブのテーマソングとして作られました。

宗教・政治に関する歌詞が一切ないというレアな曲で、明るく軽やかな曲調が特徴的です。

4位 極限修行者音頭

オウムソング屈指のネタ曲として根強い人気がある曲です。

メロディーは選挙でも使われた「ガネーシャ体操」と同じですが、曲名の通り盆踊りのような曲調になっており、尊師のセリフ・掛け声が異様に多いのが特徴です。

冒頭のセリフが「極厳修行者は、神様です」「さあ、極厳修行者のみなさん、神様になりましょう」と、いきなり矛盾しているのも非常に興味深いです。

3位 超越神力

オウム真理教製作のアニメ「超越世界」「超越神力」のオープニングとして使われていることで有名な曲です。

サビのメロディーが短いフレーズのゼクエンツ (音高を下げながらの反復) になっており、一度聞けば忘れられないでしょう。

尊師の歌声とシンセサイザーの掛け合いが多いのも特徴だと思います。

「超越世界」のオープニング映像、および本編も面白いので、ぜひ見てみてください。

2位 タントラヤーナ

ノリの良い打楽器のリズムと尊師のセリフから始まり、それに続く「ラーミッソッ」を繰り返すベースラインが印象的な曲です。

絶妙にカッコ良いような、ダサいような感じがクセになります。

なお、タントラヤーナは何回か書き換えられていることでも有名です。当初は「法律つぶして進もうよ、法律超えて行こうよ」という歌詞があったものの、過激すぎてカットされたそうです。

1位 さまよえるバルドー

最後に、私が最も好きな「さまよえるバルド」をご紹介します。

いわゆるバラード系の曲ですが、繰り返しが一切ない (ポップスに通常ある1番・2番という概念がない) など、他の曲とは一線を画しています。

嬰ハ短調で書かれていますが、ホ長調への転調やフラット系の和音を使うタイミングも実にセンスがあります。

歌詞の内容も「さあ、修行するぞ!」といった内容ではなく、「死後の魂が、修行をしていれば良かったと後悔する」という悲劇的な内容なので、これを聴いて修行のモチベーションが上がった人も多かったのではないかと思います。

まとめ

オウム真理教自体は問題の多い団体でしたが、非常に興味深い曲をいくつも残しているのも事実です。

圧倒的な知名度を誇る「尊師マーチ」以外にも様々な曲がある、ということを知っていただければ幸いです。

クラスター奏法を活用したピアノの名曲

ピアノの複数の鍵盤を手の平や腕で押す、トーン・クラスターという特殊奏法があります。

この記事では、クラスター奏法を活用したピアノの名曲をいくつかご紹介します。

目次

ラウタヴァーラ作曲 ピアノソナタ 第2番 「火の説法」

エイノユハニ・ラウタヴァーラ (1928 ~ 2016) はフィンランドの作曲家で、1970年に書かれた「火の説法」は彼のピアノ曲の中では最も有名なものだと思われます。

ラウタヴァーラの書法の特徴として「3+2+3の8拍子のリズム」「クラスター奏法」「左手の広音域・高速アルペジオ」などがありますが、「火の説法」はその全てが10分強の短い時間に詰め込まれた作品です。

クラスターは何箇所かで登場しますが、特に効果的に使われているのは、緩徐楽章にあたる第2楽章のクライマックスでしょう。(動画の5:40~)

なお、楽譜のこのマークは手の形を表しており、指先を低音側に向けて弾くこと、2オクターブのクラスターに関して言えば腕で弾くことを指示しています。

また、第3楽章は主題の前半の構成音がB-A-C-Hとなっており、明白にバッハのフーガを意識した作風です。

この楽章でも、終盤に両手のクラスターが効果的に使われています。

ヴァイン作曲 ピアノソナタ 第1番

 

次に、オーストラリアの作曲家のカール・ヴァイン (1954~) が1990年に書いたピアノソナタ 第1番 (1990年) をご紹介します。

作品は2楽章からなり、全体で20分弱ですが、特に面白く人気があるのは第1楽章です。

非常に多くの要素が見られ、12音技法が登場したかと思えば、ポップスでいう「サビ」のような部分では明確にロ長調になったり、はたまたトッカータ的な部分もあります。

この「サビ」とでも言うような部分の最後にクラスターが登場します。(動画の3:55~)

ヒナステラ作曲 組曲クレオール舞曲」

続いて、アルゼンチンを代表する作曲家であるアルベルト・ヒナステラ (1916 ~ 1983) の「クレオール舞曲」をご紹介します。

この作品は緩 - 急 - 緩 - 緩 - 急の5曲からなる作品ですが、2曲目の右手の主旋律がクラスターとなっており、楽譜には手の平で弾くよう注釈が書かれています。(動画の1:50~)

ヒナステラというと最初期の「アルゼンチン舞曲」が有名で、その陰に隠れている印象もある作品ですが、とても良い曲でなので、ぜひ聴いてみてください。

最初から聴くと大人しい印象を受けるかもしれませんが、終曲の物凄いエネルギーには圧倒されるはずです。

カーニス作曲 スーパースター・エチュード 第1番

アーロン・ジェイ・カーニス (1960-) が作曲した「スーパースター・エチュード 第1番」は演奏風景も面白いので、ぜひ動画で聴いてみてください。

この曲は、Cluster Cityというクラスターだらけのセクションが途中にあり、なんと途中からは左足も加わります。

最後の最後では絶叫 + グリッサンドからの両腕クラスターです。もはや何でもありですね (笑)

ちなみに「スーパースター・エチュード」は何曲かあるのですが、1番以外は意外と普通というのが拍子抜けです。

ジェフスキー作曲 ウィンズボロ綿工場のバラード

「不屈の民による変奏曲」などで有名なフレデリック・ジェフスキ (1938 - 2021) が書いた「ウィンズボロ綿工場のバラード」は、曲全体にクラスターが多用された作品です。

開始直後から両手の交互クラスターが現れ、工場らしい雑音のような響きが表現されます。

そして次第にブルースの響きが現れます。

同じ音型を何度も繰り返すミニマル・ミュージックの要素も強く、ここのように繰り返し回数が楽譜に書かれているところも散見されます。

このメロディーは終盤にも登場するのですが、それをぶちこわす両腕のクラスターのインパクトはあまりにも強烈です。(動画の8:05~)

ロディアスな要素と、意図して書かれた雑音の要素が上手く噛み合った作品です。

カウエル作曲 3つのアイルランドの伝説

 

クラスターの話題で外せないのが、ヘンリー・カウエル (1897 - 1965) でしょう。

1917年に書かれた「3つのアイルランドの伝説」は最初にクラスターを使った作品とも言われています。

この作品は「マノノーンの潮流」「英雄の太陽」「リルの声」の3曲からなりますが、ほぼ全編をクラスターの響きが支配しています。(画像は1曲目のクライマックス部分)

クラスターのグリッサンドという、超前衛的な奏法も登場します。(上の画像の2段目)

(番外編) アルカン作曲 打ち上げ花火 - 序奏と即興

こちらは厳密にはクラスター奏法を使った曲ではないので、番外編としてご紹介します。

「鉄道」や「イソップの饗宴」などで有名なシャルル・ヴァランタン・アルカン (1813-1888) は、なんと1859年の時点で「打ち上げ花火」という作品においてクラスターのような和音を使っています。

黒鍵と白鍵が混在するため手の平で押すことはできず、楽譜の指示の通り1・2・5の指で2音を弾くしかありません。

この曲は知名度は高くありませんが、先進性という意味では、目を見張るべきものがあるでしょう。

クラスター的な和音を使った作品で有名なものに、バルトークの「ピアノソナタ」や「戸外にて」がありますが、これらが書かれたのは1926年。(画像は「ピアノソナタ」の第3楽章)

その70年近くも前にこんな響きが生み出されていたとは、驚きですね。

まとめ

クラスター奏法というと暴力的なイメージもあるかもしれませんが、ここぞという場所で使えば、作品の印象を音響的にも視覚的にもより強烈にすることができます。

一般的にはマイナーとよばれる曲ばかり紹介してきましたが、皆さまが気に入っていただける作品に出会えれば幸いです。

ピアノの演奏機会の作り方

ピアノ演奏は需要よりも供給の方が多い世界です。

つまり、そこそこの実力程度では、人前で弾きたくても機会は中々ありません。

この記事では、そうした中でピアニストがどう演奏機会を得ていけば良いのか、自らの経験を元にお話しします。

目次

筆者について

まず最初に、筆者について簡単に書いておきます。

私は一般大学 (東大) の出身ですが、音大ピアノ科の平均程度の実力だと思っています。なお、ここでいう「平均程度」というのは上澄みでも底辺でもない、というくらいの意味です。

非アマチュア向けのコンクールでの入賞経験も何回かありますし、ピアノの会で音大生 (特に桐朋東京音大) との接点も多く話は色々と聞いていたので、大きくずれた認識ではないと思います。

なのでハイアマはもちろん、音大を卒業して演奏機会が欲しい人にとっても、この記事は参考になるかと思います。

大学以前の演奏機会について

本題に入る前に、大学以前の話についても触れておきます。

自分の場合、中学から大学までは、多くのお客さんの前で弾く機会が定期的にありました。具体的には以下の2つです。

1. 学園祭

学園祭自体の来客数がとにかく多いので、自ずとピアノの演奏会にも人が集まります。

中高の文化祭では音楽室が満員になる規模でしたし、東大でも五月祭は時間帯によっては立ち見が出る規模でした。

特に中高時代なんて上級者とさえ呼べないようなレベルだったので、今思うと本当に貴重な機会だったと思います。

2. 出演者の少ないコンサート

サークルの全員が出演権を持つ演奏会は、あまりに長大なため外部のお客さんはほとんど来ません。(学園祭を除く)

ただし、オーディション等で出演人数を絞っていた演奏会に関しては、ホールが満員になる規模のものもありました。

具体的には、東大が主催する選抜学生コンサートや、六連 (東大を含む6大学のピアノの会による組織) の一部の演奏会もそうでした。

社会人になってから演奏機会を得る方法

当たり前ですが、ピアノの会という所属を失えば、自力で演奏機会を得ていくしかありません。

ここからは、自分が試した方法を解説していきます。

ホール・自治体などが主催する演奏会への応募

ロビーコンサートという形態のものは募集が多くあり、自分は足利市役所 (栃木県)、いちょうホール (八王子市) で30分のリサイタルをさせていただいたことがあります。

物によっては書類選考のみで出られるので敷居は低いですが、ロビーでの演奏になるため、雑音がある環境での演奏となります。

ホールで弾いたものだと、東村山市が主催するフレッシュ・コンサートに出演したことがあります。(リサイタルではなく、プロコフィエフソナタ3番を弾いただけです)

30分程度のリサイタルができるものもありますが、かなり珍しいです。

自治体のアーティストバンクへの登録

自分は北区、新宿区、小平市のアーティストバンクに登録しています。

北区の場合は公募が月1くらいの頻度で来ますが、ピアノがない会場のことが多いです。

ほかは登録後は何もありません。小平については、登録者に対しての出演の打診はするが公募はしていないと言っていました。

居住地などの制限があるところが多いですが、登録しておいて損はないかなという感じです。

音楽事務所への登録

有名どころとして及川音楽事務所などがあります。

自分はコンセール・ヴィヴァンという音楽事務所のオーディションを受けて通ったことがありますが、先に書いたアーティストバンクと同じく、演奏の依頼などは全く来ません。

事務所を通して大量に演奏依頼が来るなら良いですが、そういうことはないので、登録者の中でも際立った実力が必要です。

そうでなければ、オーディションの参加費を吸い取られるだけの存在になります。

また、演奏を聞いてもらえる機会は基本的にオーディションの1回だけなので、挑戦するのであれば、万全の準備で挑みましょう。

コンクールの褒賞 (受賞者演奏会・リサイタル)

コンクールの褒賞として受賞者演奏会・リサイタルに出演する方法があります。

ただし、コンクール本体よりも出演費がかかる上に、運営側がたいして集客もしていないケースも多いので、特に費用に関しては事前に問い合わせておきましょう。

ちなみに、過去に聞いた中だと中国音楽理事会のコンクールが7万5千円でダントツのトップです。(賞金も出ますが、受賞者演奏会に出演しない場合は貰えません)

逆にPTNAなどになると、ホールが満員になる規模の動員が期待できます。

演奏会の自主企画

行動力さえあれば実現できる方法です。

内輪の演奏会で良いのなら、ピアノ繋がりの知り合いを集めれば良いだけですし、実際、私も年に3回も演奏会を主催しています。

外部からの集客はほとんどできていませんが、それでも非常に有意義な場になっていると考えています。

また、開催するだけならソロのリサイタルも簡単にできますし、実際に開催した知り合いも複数います。あとは集客力の問題となります。

ピアノ教室の発表会

教室によって規模は違いますが、年に1回ペースで発表会があるところが多いです。

単純な動員数だけだと、教室によっては非常に多くなる可能性があります。

ただし、基本的には生徒 + 親族しか聞きに来ないので、一般の人に演奏を聴いてもらいたいのであれば、良い選択ではありません。

ネット上で人を募集している演奏会・サークル

Twitterピアノの会などが有名で、conpassというサイトで募集されていることが多いようです。

演奏会ごとに公募する形式ではなく、社会人サークルという形態を取っているものもあります。

ただし、外部向けに告知していても、実質的には弾き合い会のようなものになることが多いです。

大学サークルの演奏会に卒業生として出演する

ここまで来ると限定的な人しか使えない方法になりますが、サークルによっては演奏会に卒業生が出演できます。

知っている範囲だと、東大医学部のピアノの会の演奏会 (五月祭で開催) がそうです。そこまで偏差値が高くない大学でも実現できると思いますが、それなら尚更、そのために大学に入り直すのは非現実的でしょう。

YouTube等に演奏動画を載せる

生で演奏を聴いてもらうのに拘らないなら、コストをかけずにできる方法です。

ただし、今や名だたる演奏家の音源が無料で聴ける時代なので、有名な曲なら尚更、聴いてもらえる可能性はゼロに等しいです。

であればニッチな曲を弾くしかないです。あまり弾かれていない好きな曲があるなら良いですが、曲は何でも良いからとにかく聴いて欲しい、というのは本末転倒な感じがします。

やるにしても、曲自体を認知してもらうところから始めなければいけません。

ストリートピアノ

最終手段ですね。ここ5年くらいで設置が急増した印象があります。劣悪な環境で断片的にでも聴いてもらいたいのなら、良いでしょう。

浜松駅の新幹線コンコースなど、状態の良いグランドが置かれていることが稀にあるので、その場合は弾くことがあります。

たまに立ち止まって聴いてくれたり、何の曲か聞いてくれたりする人がいて、それは勿論嬉しいことですが、基本的には演奏を聞いてもらう場としては認識していません。

結論

ホールで不特定多数に演奏を聴いてもらう機会を得るのは難しい

残念ですが、これが結論です。需要 < 供給の世界なので当たり前です。

なので、こうした機会を持ちたいのであれば、ただひたすらに研鑽を積み、日本あるいは世界トップレベルを目指すしかありません。

その過程で、ここに書いたような方法は役に立つかもしれません。

イベントの開催規模に対してピアノ奏者が少ない集団に属する

では中途半端な実力でどう演奏機会を得るのか、という問いに対する答えがこれです。

ここまでに挙げた例だと、学園祭や地方の自治体がそうですね。

東大の学園祭は莫大な数の来場者が来ますし、2日間に渡ってピアノのコンサートが開催される都合、「ピアノが弾ける東大生」というだけで希少価値になります。

地方の自治体の場合、たとえば自分は足利市に行ったことがありますが、「わざわざ足利にピアノを弾きにくる」人はレアなわけです。都市圏には自分より上手い人は無数にいたとしても、足利にまでやってくる人の中では、自分は十分に上手かったわけです。

このネット社会で大々的に売り出そうとするのではなく、ピアノが弾けることが希少となるような状況を作り出すべきです。

奏者にとっての聴衆の価値

...とここまで、「不特定多数に演奏を聴いてもらうには」という視点で書いてきましたが、ここで考えるべきは奏者目線での聴衆の価値です。

もちろんピアノ奏者にとって、演奏を聴いていただけるというのは、この上なくありがたいことです。

ですが、聴衆一人一人の価値が全て等価なのかと言えば、それは違うでしょう。また、その価値判断の基準は奏者によっても異なるでしょう。

では、どういうマインドセットでピアノの練習・演奏活動を続けていくのが良いのか。ここから先は、続編に続きます。(予定)

クライスラー作品のピアノ編曲まとめ

ヴァイオリンの名曲をいくつも残した、フリッツ・クライスラー

彼の作品のいくつかは、他の作曲家によってピアノに編曲されており、クオリティが高い編曲も多いのですが、ラフマニノフの編曲を除くと、知名度は高くはありません。

そこで、この記事では、クライスラー作品のピアノ編曲を網羅的にご紹介します。

目次

愛の悲しみ (ラフマニノフ編)

クライスラー作品の編曲の中では圧倒的に有名です。特に日本では「四月は君の嘘」で使われたことで、さらに知名度が増したように思います。

繰り返しが多い曲ですが、ラフマニノフらしい多声的かつ技巧的な編曲となっており、聴き手を飽きさせることがありません。

原曲の哀愁漂う雰囲気を損なわないばかりか、より魅力を引き立てるような名編曲だと思います。

愛の喜び (エモンツ編)

上記の動画や、この編曲のIMSLPの楽譜 (↓) にも編曲者名は明記されていないのですが、この編曲はフリッツ・エモンツ (Fritz Emonts) の編曲だと思われます。

https://vmirror.imslp.org/files/imglnks/usimg/d/db/IMSLP711509-PMLP245136-Kreisler_Altwiener_Tanzweisen_Nr.1_Liebesfreud_piano_solo.pdf

エモンツの編曲と明言されているSchott社の楽譜 (↓) の1ページ目が上記の楽譜と一致することから、そのように判断しました。

ウィーン古典舞曲集:愛の喜び/愛の悲しみ/美しきロスマリン(ピアノ・ソロ)/フリッツ・クライスラー/SW 1056

シンプルですが、十分に聴ける編曲だと思います。

 

なお、ラフマニノフも「愛の喜び」を編曲しています。

あくまで個人的な感想ですが、あまり必要性を感じない技巧的なパッセージや謎の転調なども多く、微妙な編曲だと思っています。

美しきロスマリン (エメルソン編)

「愛の喜び」「愛の悲しみ」とセットで「ウィーン古典舞曲集」として出版された作品。

ここではエメリック・ステファニ (Emeric Stefaniai) というハンガリーのピアニストによる編曲をご紹介します。

原曲の軽快な作品を損なわず、適度に技巧的な要素も加えられた編曲となっています。

なお、知名度的にはアレクサンダー・キルシュ (Alexander Kirsch) による編曲が上のようです。

ピアニスティックではありますが、個人的にはやり過ぎかなと思います。

プニャーニの様式による前奏曲アレグロ (ヴァネーエフ編)

緩 - 急の2部からなる人気作です。

ヴァネーエフについては情報がほとんどなく、ファーストネームすら不明なのですが、楽譜はIMSLPで入手できます (↓)

https://vmirror.imslp.org/files/imglnks/usimg/f/f5/IMSLP394442-PMLP245138-Kreisler_Preludium_and_Allegro_Piano_arr..pdf

少しオクターブに頼りすぎな感はありますが、かなり聴きごたえのある編曲です。

なお、上記の音源の演奏はシプリアン・カツァリス。独自に音を足したりもしていて、迫力満点の演奏です。

中国の太鼓 (マインダース編)

太鼓を模した連打と、中国風のメロディーが特徴の1曲。

特に主部は非常にシンプルですが、良い編曲だと思います。演奏もスピード感があり、非常に良いです。

編曲者のフレデリック・マインダース (Frederic Meinders) は他にも膨大な数の編曲を残しているので、気になる方は調べてみてください。

ベートーヴェンの主題によるロンディーノ (ゴドフスキー編)

最後にご紹介するのは、とても可愛らしい曲のゴドフスキーによる編曲です。

ゴドフスキーの編曲というと極端に難しいものも多いのですが、この曲に関して言えば中級程度の難易度だと思います。

しかしながら、声部が追加されて立体的な響きになっており、ゴドフスキーの編曲者としての才能を窺い知ることができます。

最後に

この記事では、クライスラーのヴァイオリン曲のピアノ編曲をいくつかご紹介しました。

曲によって、また編曲者によってもテイストはガラッと異なるので、気に入っていただける曲が見つかれば幸いです。

【NK-POP】おすすめの北朝鮮音楽 8選

近くて遠い国、北朝鮮

「コンギョ」の通称で知られる「攻撃戦だ」など一部の楽曲は有名ですが、他の楽曲はそれほど知名度が高いとは言えません。

そこでこの記事では、私がネット上で聴けるものをほぼ全て聴いてみた感想をもとに、ランキング形式でいくつかの楽曲をご紹介します。

目次

第8位 武装で仕えよう我らの最高司令官

北朝鮮の音楽は、軍歌・アイドルソング・その他の歌曲の3種類に大別されますが、まずは軍歌調のものからご紹介します。

武装で仕えよう我らの最高司令官」はザ・軍歌といった感じの明るく勇壮な楽曲です。

人気の楽曲のため様々なアレンジがあり、後述するモランボン楽団も演奏しているほか、中外旅行社という北朝鮮専門の旅行会社のホームページでもかなりポップなアレンジが使われています。

第7位 より高く より速く

他の曲にはない、とても明るい雰囲気が特徴的な一曲です。

聴くと誰でも元気になれると思います。

歌詞は「将軍様の領導のもと、強い国を築こう」といった当たり障りのない内容です。

第6位 金正日将軍の歌

ゆったりとしたリズムの、力強い男声合唱が特徴的な楽曲。

ちなみに最高音はA♭と、男声合唱としては高めです。

金日成将軍の歌」や「金正恩将軍の歌」もありますが、それらと比較するとメロディーのキャッチーさが秀逸だと思います。

第5位 走って行こう未来へ

国家お抱えのアイドルバンド、モランボン楽団のオリジナル曲の中でも特に人気のある一曲。

清楚で明るい雰囲気が特徴的で、歌詞も国家権力を讃えるような内容は少なめで、まるで平成初期のアイドルソングのようです。

なお、モランボン楽団は多くの楽曲をアレンジして演奏しているので、ぜひ探して聴いてみてください。

第4位 攻撃戦だ 

「コンギョ」の通称で知られる、言わずと知れた名曲。

曲名通りの攻撃的な歌詞が特徴的ですが、実は経済目標の達成を煽るために書かれました。

この曲も非常に多くの編曲がありますが、個人的には以下のアコーディオン独奏版は特に素晴らしいと感じます。

オーケストラ + 合唱 + 4人の独唱という、ベートーヴェンの第9も顔負けの編成の以下の演奏もオススメです。

第3位 我が党に永遠に従おう

曲名の通り、朝鮮労働党を讃える楽曲。

こちらはモランボン楽団が編曲したバージョンをご紹介します。

グリーグのピアノ協奏曲を彷彿とさせるようなピアノソロに始まり、その後も各楽器に見せ場が多かったりと、とにかく演奏が素晴らしいです。

第2位 千里馬走る

メロディーのキャッチーさと疾走感に加え、曲の流れが非常に特徴的な一曲。

ポップスだと1番 → 2番 → 間奏 → サビの繰り返しという流れが一般的ですが、かなり工夫が見られます。音楽的には他の追随を許さない完成度だと思います。

歌詞は朝鮮労働党を讃える内容です。

第1位 将軍様は縮地法を使われる

最後にご紹介するのは、「将軍様が瞬間移動をする」という意味不明極まりない内容で知られる、こちらの一曲。

「縮地法」とは瞬間移動術のことですが、金正恩体制になってから縮地法は使えないということを当局が認めたので、残念ながら演奏頻度は下がるかも知れません。

昭和のロボットアニメのような絶妙なダサさもポイントです。

 

以上、北朝鮮の名曲をいくつか紹介させていただきました。

皆さまに気に入っていただける曲があれば幸いです。

【知られざる名曲】バグダサリアン 24の前奏曲

このブログでは、知られざるピアノの名曲を紹介しています。

今回はアルメニアの作曲家、エドゥアルド・バクダサリアンの「24の前奏曲」をご紹介します。

目次

バグダサリアンについて

エドゥアルド・バグダサリアン (1922 ~ 1987) はアルメニアを代表する作曲家の一人です。

クラシックからポップスに至るまで、さまざまなジャンルの作品を残しましたが、日本での知名度はあまり高くありません。

なお、アルメニアの作曲家のピアノ曲については、当ブログの↓の記事でも紹介しています。

なかなかに名曲の宝庫なので、ぜひ聴いてみてください。

24の前奏曲について

バグダサリアンが残した数少ないピアノ曲のうち、最も有名なものが「24の前奏曲」です。

ショパンなどの「24の前奏曲」と同じく、ハ長調イ短調ト長調ホ短調という順で曲が配置されており、最後はニ短調で終わります。

全曲通しでの音源はこちら↓

時間は40分ほどと中々の大作となっており、全て聴くのは大変だと思います。

ということで、この記事では中でもオススメの曲をいくつか紹介します。

なお、一番人気があるのは6番です。とりあえず一曲だけ聴いてみようかな...という方は、6番だけでもぜひ聴いてみてください。

第4曲 ホ短調

6/8拍子で書かれたトッカータ的な曲。少なくとも前奏は明確にホ短調ですが、独特の旋法に基づくメロディーが出てきたり、中間部では雰囲気がガラっと変わって無調的になったりと、1分強の間に非常に豊かな表情を見せます。

第6曲 ロ短調

全24曲中、屈指の人気曲。

三部形式で書かれており、流麗なメロディーが美しい主部と、舞曲調の主題が劇的に展開される中間部からなります。

全体を通してアルペジオを駆使しており、演奏効果も抜群です。

第9曲 ホ長調

4声で書かれた、バロック音楽の影響を色濃く感じさせる作品。

主旋律の美しさが際立つ、穏やかでありながら、少しの躍動感も感じられる作品です。

第14曲 変ホ短調

この曲も三部形式で書かれていますが、主部はかなり掴みどころがなく、無調的な性質も強い作品です。

しかし、変イ長調に転じて明確にメロディーが出現する中間部は非常に美しく、その対比が見事です。

第23曲 へ長調

聴いただけだと分からないかもしれませんが、和音の左右交互連打だけで書かれている曲です。楽譜はこんな感じになっています↓

音域が近い和音を弾くため、必然的に音響的にも面白くなる作品。弾いていて楽しいという意味でも、個人的にはポイントの高い一曲です。

第24曲 ニ短調

24曲の掉尾を飾る終曲です。おそらくは第6曲に次ぐ二番人気の曲です。

ショパンスクリャービンは終曲を激情的な曲で締めましたが、バグダサリアンはそうはしませんでした。

感傷的なメロディーが美しい、透明感のある和声と対位法的な性格も際立つ名曲です。

楽譜について

無料楽譜

楽譜はネットで入手することもでき、Scorserなどのサイトで「Bagdasarrian」で調べればすぐに出てくると思います。

ただしバグダサリアンは著作権が切れていない作曲家なので、自己責任でお願いします。

また、誤植が多く楽譜が読みにくいのも欠点です。

有料楽譜

長年の間、合法的には楽譜の入手が難しかったこちらの作品ですが、なんと2022年になって、日本のMuse Pressという出版社から楽譜が出版されました。

この曲を実際に演奏しているラフィ・ベサリアンというピアニストが校正しており、無料の楽譜と比べると、楽譜自体もかなり読みやすいです。

需要が少ないということもあって値段は高いですが、この作品を演奏されるのであれば、個人的には非常にオススメです。