2019-11-30 ラモー=ゴドフスキー 「タンブーラン」 本日はラモーの代表作「タンブーラン」をゴドフスキーが編曲したものをご紹介します。 早速ですが楽譜付き音源をどうぞ。 www.youtube.com ゴドフスキーというと、ショパンの練習曲を編曲したものなどが有名で、超絶技巧という印象が先走りしているイメージがあります。この曲は原曲がバロックなので、そこまで技巧を全面には押し出してはいませんが、楽譜を見ていただければわかる通り、なかなかの難曲です。 さてこの曲、原曲は聴いたことがあるものの、作曲家と曲名以外の情報を知らない方も多いと思います。少なくとも私はそうでした。 ラモーについて まず作曲者のラモー(Jean-Philippe Rameau)ですが、フランスのバロック時代の作曲家(1683-1764)です。 フランスのバロックの作曲家というとクープランも有名ですが、クープランの方が15年早く生まれています(1668-1733)。 ちなみに、バッハとヘンデルがともにラモーが生まれた2年後の1685年に生まれています。 上記のバロック時代の作曲家と同じく、ラモーも当時の鍵盤楽器のための作品を、組曲という形でいくつか作曲しました。 そのうち、「第2組曲 ホ長調」は9曲からなる組曲で、この第8曲が「タンブーラン」です。 ※ 原曲の楽譜: https://imslp.org/wiki/Suite_in_E_minor,_RCT_2_(Rameau,_Jean-Philippe) ゴドフスキーの編曲について さて、ゴドフスキーの編曲についてですが、実は組曲の構成は完全に変わっています。 ゴドフスキーは全4巻、全16曲からなる「ルネサンス」という編曲集を作曲しましたが、この第1巻の第6曲(終曲にあたります)が「タンブーラン」です。 ちなみに「ルネサンス」第1巻ですが、元となった曲は全てバラバラで、同じ曲集から抜粋した、というようなものではないようです。 ※ ルネサンスの楽譜: https://imslp.org/wiki/Renaissance_(Godowsky%2C_Leopold) このような、原曲と編曲で組曲の名前が違う曲を弾くとき、プログラムにどう記載するか、いつも私は迷ってしまいますが、まあそれは弾くときに考えるとしましょう。